忍者ブログ
06
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【題材:豪奢な,風景,響く,もう逢えない 時代物っぽく】
平安時代。王子→?



豪奢な屋敷に響く宴の音を背に、人気の無い縁側で少年はひとりぼんやりと月を眺めていた。
月明かりに照らされた横顔は憂いの色が浮かんでおり、下手をすればそのまま風景に溶け込んでしまいそうな危うさを持っていた。
次期東宮である彼に婚約の話が持ちかけられたのはつい最近の事。
自らの意思とは関係の無い場所で進んでいく話に彼、ファウスティールは日々気が重くなっていくのを感じていた。
自らの立場は弁えている。だからこそ彼は文句ひとつ出さずにその話を飲んだ。
細かい事で騒ぎを起こしては下々の者に示しが付かないと言う事もあるにはあったが、何より彼が気を寄せているのは官僚で、男。
男色の者は決して少なくはないが、彼は立場上其れが許されない。立場を選び、自らの想いを捨てたのだ。
「……もう逢えないのかな」
ぽつりと漏らした言葉は誰の耳にも届く事なく、夜の帳に吸い込まれていった。
PR
この記事にコメントする
名前
URL
本文
パス   
忍者ブログ  [PR]

(design by 山瀬)