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キス題【シチュ:教室、表情:「真剣な顔」、ポイント:「後ろから抱きしめる」、「お互いに同意の上でのキス】
学パロ&ベル王
学パロ&ベル王
授業の終わりを告げるチャイムはとうの間に鳴り終わっている。
教室に居た生徒たちは部活やバイトなど様々な理由から足早に離れ、今や王子ただ一人を残すのみとなっていた。しかし王子は焦る事なく、むしろ時間を稼ぐかのように帰り支度や教室の整頓などを行う。
…だってこうしていれば、ほら。
「おや、今日も最後まで残っているんですね」
鳶色の髪を無造作に後ろで括った教師が教室の入口から顔を出す。
職員会議等の急用が無い限りこの時間に見回りに来る事位とっくの前に把握している。
だからこうして放課後に2人きりで話す事なんて珍しくは無かった。最も、最初は普通に怒られていたが。
「うん。ちょっと先生に話があって」
「話…ですか?」
窓際に腰掛ける様にして佇む王子に誘われるように、教師はオレンジの光に包まれる教室へと足を進める。
夕日に染まる王子の横顔はどこか儚く美しかった。それは黄昏による錯覚なのか、それとも。
「それで、話とは一体?」
「先生は今後も教師を辞めないんでしょう?」
「ええ。断言は出来ませんが…何か特別な事情でもない限りは」
「……ぼくは、もう進路も決まってて」
ぽつり、ぽつりと王子は語り出す。
「あと数ヶ月もしたら卒業で。遠くの学校に決まったから、当然ここに来る事はほぼ無くなる」
だから、今までみたいに時間を共有できなくなってしまう。
王子はそこから先の言葉を出すことが急に恐ろしくなってしまった。言葉にして「現実」にしたくなかったからだ。
言葉が続かなくなってしまい、えっと、うーん、等と言葉を濁す。
「うん……その、やっぱり、何でもない」
曖昧な笑みを作り、話を終わらせ帰ろうと王子は背中を向けた。
直後、背後から伸びた二本の腕に強く抱き寄せられる。
「もう、ここでこうして逢う事は出来なくなるのですね」
教師の表情が伺えない。先程の会話からずっと王子は教師の方を見ることが出来ずに居たので、どのような面持ちで話を聞かれていたのか知らずにいた。
鼓動が、全身が、五月蝿い。聞きたい。聞きたくない。
王子の心境を知ってか知らずか、教師は手の力を緩める事なく言葉を続ける。
「…私はこの職を辞める訳にはいきません。しかし、教師でいる以外の時間まで囚われてはいません。ですから、もしもの話ですが、貴方さえ宜しいのであれば…」
耳元で囁かれた言葉に思わず振り返る。夕日に照らされた顔に、ターコイズブルーの双瞳が眼前に広がる。その眼差しはあまりにも純粋で真剣だった。
先程の言葉がようやく脳に届き、理解する。同時に先程まで抱えていた負の感情は一瞬にして消え去るのを王子は感じた。
そして今度は逃避ではなく、肯定の意味で瞼を下ろす。
「…よろしく、お願いします。ベルクート先生」
知らず溜まっていた涙が一筋溢れると同時に、柔らかい何かが唇を塞ぐ。
…一緒に暮らしましょう。出来れば、ずっと。これからも。
教室に居た生徒たちは部活やバイトなど様々な理由から足早に離れ、今や王子ただ一人を残すのみとなっていた。しかし王子は焦る事なく、むしろ時間を稼ぐかのように帰り支度や教室の整頓などを行う。
…だってこうしていれば、ほら。
「おや、今日も最後まで残っているんですね」
鳶色の髪を無造作に後ろで括った教師が教室の入口から顔を出す。
職員会議等の急用が無い限りこの時間に見回りに来る事位とっくの前に把握している。
だからこうして放課後に2人きりで話す事なんて珍しくは無かった。最も、最初は普通に怒られていたが。
「うん。ちょっと先生に話があって」
「話…ですか?」
窓際に腰掛ける様にして佇む王子に誘われるように、教師はオレンジの光に包まれる教室へと足を進める。
夕日に染まる王子の横顔はどこか儚く美しかった。それは黄昏による錯覚なのか、それとも。
「それで、話とは一体?」
「先生は今後も教師を辞めないんでしょう?」
「ええ。断言は出来ませんが…何か特別な事情でもない限りは」
「……ぼくは、もう進路も決まってて」
ぽつり、ぽつりと王子は語り出す。
「あと数ヶ月もしたら卒業で。遠くの学校に決まったから、当然ここに来る事はほぼ無くなる」
だから、今までみたいに時間を共有できなくなってしまう。
王子はそこから先の言葉を出すことが急に恐ろしくなってしまった。言葉にして「現実」にしたくなかったからだ。
言葉が続かなくなってしまい、えっと、うーん、等と言葉を濁す。
「うん……その、やっぱり、何でもない」
曖昧な笑みを作り、話を終わらせ帰ろうと王子は背中を向けた。
直後、背後から伸びた二本の腕に強く抱き寄せられる。
「もう、ここでこうして逢う事は出来なくなるのですね」
教師の表情が伺えない。先程の会話からずっと王子は教師の方を見ることが出来ずに居たので、どのような面持ちで話を聞かれていたのか知らずにいた。
鼓動が、全身が、五月蝿い。聞きたい。聞きたくない。
王子の心境を知ってか知らずか、教師は手の力を緩める事なく言葉を続ける。
「…私はこの職を辞める訳にはいきません。しかし、教師でいる以外の時間まで囚われてはいません。ですから、もしもの話ですが、貴方さえ宜しいのであれば…」
耳元で囁かれた言葉に思わず振り返る。夕日に照らされた顔に、ターコイズブルーの双瞳が眼前に広がる。その眼差しはあまりにも純粋で真剣だった。
先程の言葉がようやく脳に届き、理解する。同時に先程まで抱えていた負の感情は一瞬にして消え去るのを王子は感じた。
そして今度は逃避ではなく、肯定の意味で瞼を下ろす。
「…よろしく、お願いします。ベルクート先生」
知らず溜まっていた涙が一筋溢れると同時に、柔らかい何かが唇を塞ぐ。
…一緒に暮らしましょう。出来れば、ずっと。これからも。
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